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木組みは木の癖組なり。人組は人の癖組みなり
奈良県の有名な宮大工、法隆寺の鬼と呼ばれた西岡恒一氏の言葉です。
代々続く宮大工家系である西岡家に伝わる口伝だそうです。
しかし一般の大工にも広く知れ渡っており、大工の常識?のようなものなのでしょうか。
手刻みで家を建てる とは。
機械で木を加工(プレカット)するのではなく、大工が墨付けをし、鉋で木を削り、鑿などを使い木の継手を彫っていきます。
継手とは、柱と梁を組み合わせる接合部分で、重要な場所です。その種類は数百にもなります。
難しいものほど複雑で頑丈な継手が出来ます、それは大工の手刻みでしか出来ないものばかりです。
また、木を加工する前、大工は目利きをします。その木の癖などをみて、どこの柱や梁に使うか考え選別するんです。この木は良くないと思えば、使いません。
木は自然のものなので育った環境などにより、その癖があります。癖とは曲がり具合などです。
例えば、風がきつく吹く場所で育った木は揺さぶられ、その揺れでねじれながら育っていきます。
北側方向ににねじれ育った木は、倒れる時は北側に倒れます。南や西も同じことです。
同じ癖のある木を家の全ての柱に使うのはあまりよくありません。もし地震の時など横揺れがあれば家に同じ方向に負荷がかかってしまうからです。
でも、それぞれ木の癖をみて、バランスよく柱に持ってくると強度が増し揺れに強くなります。
たとえ環境の悪い場所で育った木でも、使う場所を考えればその力を発揮します。
同じ癖の木ばかりを使うと良い建物はできない、癖にも良い悪いがあっても、それぞれ違う癖をもったもの同士をうまく使うと良い建物が建つ。人にも同じことが言える。
それが、木組みは木の癖組なり。人組は人の癖組みなり ということなんですね。家を建てるのは木組みです。
木は生育の方位のままに使へ
東西南北それぞれ育った木は、柱には同じ方角の物を持ってこいということです。それぞれの生育のまま使うと木はそれぞれの特性を生かすことができ長持ちするという
木は使い方次第で良くも悪くもなります。
大工はずっと昔からそうやって家を建ててきました。
地震などに耐え残ってきた築何十年~の家、古民家などがそれを物語っています。
現代、こういったことができる大工がどんどん減ってきており、社寺建築に限定されつつあるのが現状です。でも、聖徳太子が差し金(大工道具)を日本に持ち込んだ時代から、宮大工も家大工も同じ様に建物を建てていたんです。その話はまたの機会に 8-O
日本建築の素晴らしい伝統の技術、後世まで残していきたいものです。
橋本工務店は大工の手刻みの家も建てます(^^)
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